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往き過ぎる

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人との関わりで躓くことは、ほんとうは小さな事、それに左右されたくないと思ってきた。それなのにまた。相手のあんなことには気がつかないほうがよかったという思いに囚われて、そういう自分を惨めだと思いながらもその人物を見損なったと悪態をついている。結局、相手と自分とを貶めているだけなのに。こういうコトを往き過ぎていくための幾日かは、苦しいけれど仕方がない・・・
去りゆかんものは吹きゆけ渺茫と闇の裾野をめぐる風はも
「風に献ず」福島泰樹
そんな私にとどく、歌。
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by skyblue_2 | 2006-03-10 10:20 | ときどき短歌

犯罪に震える心

 捜査当局は17日、ギャンググループ13人(17~32歳)をパリ郊外などで逮捕。リーダー格の男性(26)を指名手配した。

 調べによると、1月21日にパリ郊外の携帯電話店に金髪女性が訪れて店員のイラン・アリミさん(26)をデートに誘い出し、グループがアパートの一室に監禁。アリミさんの家族に身代金45万ユーロ(約6300万円)を要求していたという。

 アリミさんは今月13日に発見されたが、全身に傷ややけどがあり、まもなく死亡した。捜査幹部は記者会見で、頭から袋をかぶせられ裸で拷問を受けていたことを明らかにしたうえで、「かつて見た光景だ」と述べ、イラクのアブグレイブ刑務所での虐待をまねた犯行との見方を示した。

 若い女性が男性を誘惑する誘拐未遂がほかに6件起きていたことも判明。アリミさんを含め被害者にユダヤ系が多いという。捜査当局は「反ユダヤ主義が動機である証拠はない」としている。
(asahi.com2/20より)

全く痛ましくも腹立たしい事件だが、「アブグレイブ」「反ユダヤ」というキーワードに捉われると、日本人にとっては他人事になりかねない。
ユダヤ系の知人は「とてもショックで、恐怖を感じている」と言い、「ただの頭がイカレた人たちのした事よ。彼らは厳罰を受けるべき!」とも言う。事件に反ユダヤの片鱗を見まいとしているようにもみえて、私は複雑な在欧ユダヤ人の立場というものを思ったのだが、考えてみればこういう非道な事件が世界でも日本でも数多く起きているこの時代に、知人のように<罪を憎む>感覚はマヒしがちで、犯罪や死が持っているはずの特異性は影が薄い。私が小さかった頃、一大ニュースとなった「吉展ちゃん誘拐事件」というのがあって、殺人後の身代金要求というこの事件がほんとうに怖かった。大人になったからとはいえ、最近の自分にああいう恐怖心はなかなか甦ってこないのだ。

被害者を悼み犯罪を許さない。知人の涙ぐみながらの言葉は、こんな感情を鮮烈に思い出させた。
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by skyblue_2 | 2006-02-25 00:11 | デイリーライフ

夢にむかう

先日、オルガンを教えていただいている国分桃代先生をかこんで数人が集まる機会がありました。ベルギーの地で音楽を共通項に出会いがあることも嬉しかったのですが、なにより、みなさんの<音楽魂>のようなものに刺激を受けた気がします。

ヴィオラ・ダ・ガンバ製作者の御夫君とともにブラッセル近郊に工房をひらいていらっしゃるガンバ奏者の方とも知り合いになりました。工房のサイトはこちら、楽器の写真を見ているだけで、材料の木の選定から始まるというこだわりのプロセスが伝わってくるようです。

もそもそと自分に甘えていてはだめだ・・・。そろそろ日本に帰ってからのことも視野に入れながら、音楽をめぐる夢のようなものをあたためていきたい。そう思いました。

今、ぼんやりとヴィジョンをもっていることがあります。
母校のクラーク会館のオルガンでいつかコンサートがひらけたら・・・
そのためにはまず、もっと練習すること。今年の第一目標です。あたりまえすぎて大声でいうことでもないのですが。
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by skyblue_2 | 2006-01-10 21:29 | パイプオルガンはいかが

共存する

ブラッセル在住の日本人に関して、あるトラブルを聞きました。自分で確かめたことではないので詳細は避けたいと思いますが、地域住民が日本人に感じたかもしれない不安・不信を想像すると、もちろん他人事ではありません。

ただ私がこわいなと思うのは、そういう不安感の根拠が、漠然とした外国人に対する不快というようなものを含んでしまうと、習慣や文化を越えた共存・共生からはどんどん隔たってしまうのではないかしらということです。
そのあたりと、「ここは日本ではない」という現実との折り合いのつけ方(そこには<駐妻>の自覚、責任も関わってくると思います)は、未だ整理中なのですが・・・。

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ご近所の広場で、今年もクリスマス・マーケットが始まりました。
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by skyblue_2 | 2005-12-10 00:18 | デイリーライフ

音楽が伝わるか

昨日のorgueもおとといのチェンバロも、トホホな有様。
どちらのレッスンでも指摘された手(指)の力の入れ方の問題は、なかなか解決できないままでずっときている気がする。これがミニマムで正確だと、フレーズの作り方もはっきりしてきて、音楽が立ち上がり流れ始めるのだということ。不必要な体の緊張は、腕まで痛くなるしいいことはないのだ。
それから、トリル!あの小さな装飾音にもっと集中してみること。オルガンでもチェンバロの場合でも「歌手の声のように」表情を考えて、、
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昨日はオルガンの都合で、サンミッシェル大聖堂の小オルガンでレッスン。あそこで弾くことができたのはなんといっても嬉しかったし、夜の教会に広がる残響は素晴らしかった。
あなたにとって必要な気持ちの持ち方は、あなたの注意を音と音楽そのもの、音楽の主張の確認とその物語の展開に注いで、あなたを通してそれらを人々に伝えることなのです。(中略)あなたはあなたでなく、音楽そのものになるのです。<アン・マースデン・トーマス「アンのオルガン上達法」>
簡単なようで難しい、音楽を伝えるということ・・・・・。
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by skyblue_2 | 2005-11-24 19:57 | パイプオルガンはいかが

中国の事態に思うこと

反日デモ
愛読しているブログ、作家の田口ランディさんのアメーバ的日常よりTB。

中国の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官は18日、記者団に対し、一連の反日デモについて「原因は日本政府が正確に歴史問題に向き合っていないことだ。もし謝るのなら先に日本が中国に謝るべきだ。現在の中日関係の困難な局面は、日本側が作ったものであり、中国側は何ら日本に謝る必要はない」と語った。(アサヒ・コム4/18)

この記事に憤慨している私は、中国政府が自分たちに向けられるかもしれない矛先をそらすために反日デモをなかば容認しているのかもしれない、というランディさんの見方にうなづけるものがある。むしろ、そういう政治的な思惑があってほしいという気持ちだ。

そうでなければ、自国に住む外国人の被害という「今そこにある危機」を差し置いて、’そもそも論’的な理屈を持ち出す中国政府には驚かざるをえないし、国際法上も十分問題があるだろう。

今回のことはいわば明日は我が身で、まっさきに影響を被る駐在者にとっては、寄留先の国家にソッポをむかれたのではどうしようもないことになる。不安と混乱のなかでは、歴史認識も戦争責任も冷静に理解することはますます難しくなるばかりだ。

中国政府には、まず、自国民によって被害を受けた人間がいることと向き合ってほしいと思う。

私は、日本の歴史認識に問題がないとは全く思っていない。
教科書の問題にしても、憲法改正の論調からも、「戦争を経た国の言葉」を感じ取ることができないでいる。

だからこそ、中国の持つわだかまりが日中の新たな争いや怨恨の火種になっては、ますます二国の間柄は遠のくだけではないかと思うのだが。
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by skyblue_2 | 2005-04-19 03:46 | デイリーライフ

はがきの怪

下で書いたホール「フラジェ」の問題はなかなか根深いものがあるようです。仏語の個人レッスンの先生によると「あそこは旧国営ラジオ局を改装した建物で、仏語とフラマン語の両方で放送を始めたというポリシーが生きている場所。資金援助をするかわりに役員の三分の二を出させろだなんて!」フラマン圏でありながら仏語勢力が大きいブラッセルで、フラマンのアイデンティティーは迷走しているのでしょうか。

ちなみに先生ご自身は、こてこてのワロニーとは程遠い経歴のコスモポリタン、レッスンも英語です。あぁ、こういう会話を仏語でできるようになりたい・・まっとうなフランス語の会話といえば、最初と最後の挨拶だけだもんなぁぁ。

ベルギーの「現地話」をもうひとつ。
今日友人から、出してすぐに戻ってきたというはがきを見せられました。

ヨーロッパの旅行先で買ったというその絵葉書はまんなかに縦線の入っていないタイプで、上に差出人住所(ベルギー)、中央に日本の宛先(JAPANと明記)、下に文面となっていて、切手の額も間違っていないし「PRIOR」(エアメール)のシールも貼ってあるし、これはナゾを解明すべしというわけで中央郵便局へ。窓口の女性職員も「どうしてこれが戻ってきているのかわからない」を連発するのですがそれはこちらのセリフなわけで!

彼女が言うに「絵葉書の写真にある地名(ベルギー外)を見てそこからベルギー宛の国際郵便だと勘違いしたのでは」。つまり、はがきは友人の住所に「配達」されてしまったというのです。結局、もう一度切手代を払い再投函ということになったのですが・・・

よく考えてみるとベルギー国外からの郵便にベルギーの切手が貼ってあるわけはなく、だいたいはがきの裏の写真なんてものをいちいち見ているとも思えません。それに旅先で買った絵葉書を、ベルギーに帰ってからベルギー内宛で出すとしても、エアメールのシールを貼るわけはないのだし。要はただのミス??

封書の場合のように差出人は左上に寄せて書くとか、宛先にはTOを添えるとか、対策はたしかにあるとは思うのですが、「差出人住所は書かないほうが・・」とわざわざ横線で消すくらいなら、ミスを認めてほしかった気がします。

はがきが怪!なら私は不快!!ってことで、いい教訓になりましたが。

追記:郵便局の料金表を見ていたら、「PRIOR」のシールは「優先配達」を指すので国内郵便のときでも貼ることができるのですね。訂正しておきます。
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by skyblue_2 | 2005-01-14 04:47 | デイリーライフ

9.11

今日のNew York Timesのウェブ版で、当時の紙面(9/11~21)を見ることができる→
右上から

あの日、出先から戻ってつけたTVからいきなり目に飛び込んできた、ビルと黒煙。何が起きたのだろうという得体のしれない不安を、今でもはっきりと思い出すことができる。
しかし考えてみれば、毎日、争いと破壊の光景を繰り返し見てきているのではなかったか。世界のどこかから、ニュースで、新聞で・・・。そして日本人の脳裏に焼きついている太平洋戦争と被爆。

死者に数は意味が無い。
数の多寡も、そして時代も国籍も超えて、命が終わる、その存在が地上から消えてしまうという事実だけがある。

私は、あの日に命を奪われた人々のことを憶えていよう。

そしてそれから、過去からいままでの死者たちのことに思いを馳せよう。
いずれかの時代のある日、消えていった命の重さを、今日はみつめていよう。

「福島は、挽歌ばかりを書いている」と歌人は言っているらしいが、この地上に突然、空席ができてしまうことの空恐ろしさ、そして頓挫した彼らの志を思うと、口惜しくってならないから書いているのだ。哭きたくってならないから、絶叫するのだ。(福島泰樹「『黒時雨の歌』跋」より)

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by skyblue_2 | 2004-09-11 19:08 | デイリーライフ

自己責任

NO!と言える日本社会

TBさせていただいた。

ベルギーに来て五ヶ月、短いながらもその間に、日本人である私の意識が何かしら違和感を感じるたびに<個人主義>について考えることが多い。

mirugraphさんが経験されたように、日本では、たとえば「自分の責任をタナにあげて無理にごり押ししてくる顧客」と「それに応じてしまう、波風を立てたくない業者サイド」というような構図が多いのかもしれない。
その功罪は、個々のケースによっても違うだろうし、利益とか生産性が絡めばそう簡単にはいかない問題もあるのだろうが、少なくても対極に考えられるのは「自己責任をわきまえた関係」ということになる。

自分の責任領域をはっきりみつめること。

パリに長く住んだ思索家森有正氏が
「かれら(=パリの若者たち)はエゴイストである。しかしそれを咎めてはならない。彼らは他人のエゴイスムにも敏感であり、それを尊敬するからである。」(「パリの学校」1969年より)
と書いたように、自己と他者を尊重するこちらの風土では、この「自己責任」が徹底しているであろうことを期待し、覚悟もしていた。

けれども、身のまわりで実際にあった例なのだが、「明らかに非があるのに、’それはあなたの自己責任だ’と主張する店」。
あるいは、「覚えのない引き落としに対して、’あなたは運が悪かった’と言って終わる銀行」・・・

この場合客にとっては、責任逃れの言い訳を「自己責任」という方便で押し付けられているだけにすぎなくて、これに近いケースを幾つか私も経験してみて、自己責任というものの危うさ、脆さがとても気になるのだ。

自己責任も個人主義も、はきちがえればただの保身(という意味でのエゴ)に成り下がってしまうのか・・・。

私には、ヨーロッパの「理想と現実」を垣間見せられているようで、少々落胆もある。
なにごとにも理想と現実はつきものかもしれないのだが。
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by skyblue_2 | 2004-09-09 21:45 | デイリーライフ

地雷という凶器

さきほどの日本からのニュースで、民家で不発弾発見、撤去、と報じていた。
戦争の爪あとは、思わぬ時に私たちを脅かす。

「地雷」というものを意識したのは、中学生の頃だったと思う。
写真家ロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」を文庫版で読んで、彼を予期せぬ死に追いやった地雷がとても恐ろしいものに思えた。無差別で理不尽な爆弾・・・そんな武器をつかう戦争への憎しみも、このときにはっきり自覚した。

ベルギーに来て、第一次大戦時の地雷がまだ残っていて、毎年何人かの犠牲者が出ていることを知り驚いている。欧州にもう地雷は埋まっていないものと、勝手に想像していた自分が恥ずかしい。

<疲れを知らない門番>と呼ばれる地雷は、戦いが終わってからも不気味に地下で永らえ続ける。効力は五十年とも百年とも。

ベルギーは地雷ゼロの動きに積極的で、政府の援助で地雷を探知するマウスの研究も進められているそうだ。

キャパが地雷で亡くなって今年で50年。
地雷根絶を願う者として地雷廃絶日本キャンペーン(NGO団体)のバナーを張った。(⇒)

私のできることを始めたい。
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by skyblue_2 | 2004-09-09 01:02 | デイリーライフ