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夕暮れに読みたい本

身内に必要がありまたまた暫し札幌に行って、冬のブラッセルと同類の大気の香りや感触を懐かしく抱きしめてきました。私には、雪も香る気がしますが、たいてい首をかしげられてしまいます。
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気持ちに余裕がないと、移動に持っていく本の頁も何行か印象に残ればいいほう。筑摩の文庫で五巻出ている森有正氏のエッセー集も、バッグに入れる頻度の割にはなかなか肝心の名文「遥かなノートル・ダム」にたどり着きません。グランプラスのカフェでは、建物や人の姿に気をとられて、やっぱり読めなかったけれど。

この本の日記部分には、オルガンも弾かれた氏が、練習で苦心されたところとか演奏の喜びについて書いてあるところが思いがけずたくさんあります。思索家として当然のことながら、バッハを弾く事、或いはパイプオルガンという楽器からみずみずしく展開されてゆく思想の言葉に、心を動かされます。率直な、飾り気のない暖かさ…。
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by skyblue_2 | 2008-11-27 18:49 | デイリーライフ

十一月の月の光

十月に札幌で、カンヌで賞をとったトウキョウソナタを観たのですが、小泉今日子さんの存在感はなかなかのものでした。アイドル全盛期を知る世代としては隔世の感。ラストで弾かれるドビュッシーの「月の光」が、映画のキーワードの一つでもあるように思いましたが、彼女がこの場面について、「バラバラに見える人間関係も価値観の違いも乗り越えてしまう芸術がこの世にあることを、黒沢監督が教えてくれていると感じた」という意味のことをインタヴューで答えていました。
家族が壊れるというにはあまりにも強烈な、突拍子のないくらいの展開の最後に聴く、ドビュッシー。このところの冴えた月明かりに、'思い出し聴き'をしています。いろいろなことがほろほろと収束していくような静かな音が好きで、モニク・アース盤。
ドビュッシー:ピアノ作品全集第1集
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by skyblue_2 | 2008-11-15 13:00 | 音楽レコメンド