カテゴリ:音楽レコメンド( 59 )

N響Cプロ

土曜日はN響でマーラーを聴いた。合唱を従えバンダもありオルガンさえ鳴らす「復活」を壮大とかなんとかひとことでくくってしまうのは、私のザル耳を曝すだけだが、そういうシンフォニーの妙のなか対比のようにソプラノとアルトの人声が流れてきたときの、静謐なあの感じ…
そうやって音楽に捉えられて、自分の中で凝り固まったものが解きほぐされてゆく一瞬は、なにものにも代え難い。

今回ご一緒できたのは、懐かしいビー先生。ベルギー以来の再会!


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by skyblue_2 | 2010-11-22 18:26 | 音楽レコメンド

日暮れに聴きました

伝説のピアニスト

原智恵子 / コロムビアミュージックエンタテインメント


本日の打ち水は、1962年録音のショパン。ピアノコンチェルトの1番。

7月のN響愛知公演で、この曲を16歳のチョ・ソンジンで聴いたときの、ピアノの響きの僅かな違和感は、時代が要求するスタイルの違いというだけでなくやはり音の成熟度の伝わり方なのでしょうか。原智恵子の演奏で感じるショパンは、いわゆる「ショパンらしさ」とは別の地平の、まっすぐでたしかな音の連なりのように思えます。
CDにある彼女の手の写真を見ると、けっして大きくはないけれど見事に豊かなピアニストの手…。
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by skyblue_2 | 2010-08-23 19:40 | 音楽レコメンド

ALL i NEED...

オール・ユー・ニード - クラヴサン組曲 (ALL YOU NEED - LIVRE DE CLAVECIN)

アンデシュ・ダンマン / KING INTERNATIONAL



今年の<音の打ち水>は、まずこのCDから。
アンデシュ・ダンマン本人がとても率直なノーツを書いているので、これが「ビートルズをチェンバロで」というような、ありがちなシロモノではないということがよくわかる。
いわくビートルズの主題をもとに摂政時代の様式でクラヴサン音楽を創作するという発想
だから、聴いていて、あれ?今の旋律ってレットイットビーになんとなく似てるけど的な、きっちりサラバンドなりメヌエットなりクラヴサン曲の様式を楽しみつつビートルズ!という醍醐味がある。
ビートルズはもちろんすごいけれど、これだけの曲を作っちゃうアンデシュ・ダンマンもスゴイと思う。

彼の、18世紀に活躍したJacques Duphlyを弾いているCDもいい。
甘いだけでもなくテクニックに突出するのとも違って、一曲一曲から受け止めるべきものが、丁寧に伝えられてくるような音楽。
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by skyblue_2 | 2010-07-30 12:55 | 音楽レコメンド

プレヴィンでモーツァルト

土曜日に京都コンサートホールへ。アンドレ・プレヴィン&N響のオールモーツァルト・プロを聴きました。

この公演、東京でのチケットが取りにくそうだったのもありますが、京都の紅葉が見たいという欲目もあり、、しかし日帰り強行軍ではお寺ひとつがせいぜい。通天橋からの景色がすばらしいという東福寺に行ってみました。
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紅くなる前の、秋の陽に揺れる葉の輪郭が、とてもきれい。
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モーツァルトの交響曲を38番「プラハ」、39番、40番と聴き進む、それだけのことなのに、少しのためらいもなく心が音楽に向かってするする開いてゆく感覚‥。小林秀雄が「モオツァルト」で、
心が耳と化して聞き入らねば、ついてゆけぬようなニュアンスの細やかさがある。ひとたびこの内的な感覚を呼び覚まされ、魂のゆらぐのを覚えた者は、もうモオツァルトを離れられぬ。
と書いていることがたぶんはじめて納得できた気がしました。プレヴィン氏の振りとオケとの共鳴が、そういう至福のゆらぎを生み出していたのだと思います。

錦繍

宮本 輝新潮社

39番は、私にはこの本から強くインスパイアされた曲です。
「これが三十九番シンフォニイ。十六分音符の、奇蹟のような名曲です。こんどお越しになったときは、ドン・ジョバンニをかけてあげましょう。その次は、ト短調シンフォニイです。だんだん、だんだんと、モーツァルトという人間の奇蹟がおわかりになってくるやろと思いますよ。」

モーツァルトに心酔する喫茶店のあるじの言葉が、主人公の女性の心境へと様々につながってゆくのですが、この小説のラストも39番で閉じられていて、ストーリーの深い印象とも相俟って忘れられない一曲です。
〈奇蹟〉と呼ぶべき音律があるとすれば、それを享受できたひとときに感謝!
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by skyblue_2 | 2009-11-02 12:57 | 音楽レコメンド

イギリス組曲

CDのオビが気になるほうで、これも以前にオビ買い。
「フェルツマンの演奏を聴くと、心が静かにざわめきはじめる。」

バッハ:イギリス組曲

フェルツマン(ウラディーミル) / カメラータ・トウキョウ


透明感とか精緻な奥行きとか、イギリス組曲が感じさせてくれる魅力を十二分に受け止める先に、なにかひたひた広がってゆく明るいものがあるのです。ざわめき。あてのない予感。
今日は朝、いつも行く公園を歩いてから聴いて、今頃のまだ冷たくない秋の風に似ているなと。
それにしても、バッハの音の流れはどうしてこうまで美しいのか…!

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by skyblue_2 | 2009-10-23 17:10 | 音楽レコメンド

気圧に負けない曲

雨とか台風とか、気圧の変化に同調するしくみの持ち主らしく、空が灰色の日は苦手です。頭にどおんとフタがのっているみたい。数日前に見上げた十五夜の月の輝きがなつかしい‥。

そんな日に車中で聴くCDはオール長調、というわけでもなく、少し重たい気分には短調の旋律がかえってしっくりくるような気がします。暗い悲しいばかりではない、マイナー和声の心地よさ。
今日のお供は、あのおよそ練習曲らしからぬショパンのエチュードの短調たちです。

ショパン:24の練習曲

ガブリーロフ(アンドレイ) / EMIミュージック・ジャパン


おまけにこのガヴリーロフ、驚くようなテクニックで走り去っていくので、運転にぴったり…なのか?!  
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by skyblue_2 | 2009-10-07 11:42 | 音楽レコメンド

ミュージアムコンサート

四月初め、東京・春・音楽祭のなかの<ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画>記念コンサートを国立西洋美術館で聴きました。
戸崎先生のチェンバロ、そしてリコーダー、ガンバ、リュートという至福の組み合わせを、展覧会の余韻のうちに聴く贅沢な時間。。

ベルギーでの三年間、駆け足だったにせよヨーロッパのあちこちで見た絵画の色彩は、今も私のどこかに堆積されているらしく、合奏の涼やかな明るい音色を追いかけながらそんな絵との再会気分にひたっていたような気がします。
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上野の桜の全部で花束をつくったらいったいどんな…そんなことを思うほどの満開でした。
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by skyblue_2 | 2009-04-19 23:51 | 音楽レコメンド

「雨水」も過ぎて

昨日のチェンバロのレッスンでは、クープランの「Les Bergeries」(田園詩、羊飼いたち)を。Naivement<素直に>という指示のある、穏やかな優しい曲。今頃の、春を待っているココロにふんわり寄り添う…はずなのですが、、のどかな気持ちでもっと練習してね!ワタシ。

戸崎先生の国立西洋美術館でのアンサンブルを心待ちにしているところです。

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by skyblue_2 | 2009-02-26 11:59 | 音楽レコメンド

N響@愛知県芸術劇場

日曜日、午前中は前日からのアクシデントで行くべきところへ行けず。マチネだったN響の愛知県定期にはなんとか座ることができました。

コンサートのあいだ、音の流れに身を任せつつヒトとしての喜怒哀楽その他もろもろに向き合うというのが、たまに辛いときがあって、それが独奏だったりすると完全に音の場から置いてけぼりを頂戴することになります。今回の後半のプログラム、チャイコフスキーの「悲愴」は、私にとってこれと正反対のベクトルで迫ってくるものでした。
たとえばこの曲の、あのすっかり明るく完結したように思わされる三楽章と(今回「も」拍手が。或いは熱演に思わず、だったかもしれませんが)、いきなり突き刺さる冒頭の弦の嘆声で始まる四楽章との<あいだ>にあるもの。そういう曰く云い難し的なチャイコフスキーの世界を、するするとナゾ解きしてくれたような、クリアで圧倒的な…こうして言葉をさがしていても、音がどんどん甦ってきます。兎にも角にもブラボー!
キタエンコ氏の指揮するうしろ姿が時々小澤征爾氏に似て見えたのは、三階席だったから?蛇足深謝。。

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近くの公園の冬の裸木が好きです。まるでタブロー。
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by skyblue_2 | 2009-01-26 18:42 | 音楽レコメンド

グールドのブラームス

ブラームス:間奏曲集/4つのバラードより/2つのラプソディ

グールド(グレン) / SMJ(SME)(M)


坂本龍一が某番組のなかで、この演奏を山水画にたとえたそうですが、私にはもう少し暖色系のイメージ。遠い記憶を辿ろうとするときの、密やかな痛みと甘さのような。
入手したのは確か10年以上前で、間奏曲のみのバージョンでした。グールドらしからぬリリシズム!と見当ハズレな感動のしかたをして、それこそ「擦り切れるくらい」聴いていました。
冬だから<音の陽だまり>かな。おすすめです。

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先日遭遇したあっぱれな富士山とあっぱれなスカイブルー。どうぞみなさま良いお年を!
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by skyblue_2 | 2008-12-27 23:26 | 音楽レコメンド