カテゴリ:音楽レコメンド( 59 )

オルガンとヴァイオリン

J.S.バッハ : ヴァイオリン・ソナタ全集 (J.S.Bach : 6 Violin Sonatas BWV 1014 ~ 1019 / M. Auclair | Marie Claire Alain) (2CD) [輸入盤]

ミシェル・オークレール / Spectrum Sound



けさの目覚まし。普段チェンバロでよく聴いているこのヴァイオリン・ソナタが、オルガンバージョンというだけでこんなに新しい音楽になる。古いモノラル録音だけれど、奥行きのある「カテドラルな」ソナタの響きがひたひたと、時には明るい音の粒になって広がってゆくのが心地よい。マリークレール・アランのオルガンは、今更ながらスゴイです。
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by skyblue_2 | 2015-06-10 09:10 | 音楽レコメンド

ミリー・ヴァーノン

イントロデューシング

ミリー・ヴァーノン / ミューザック



ポートレイトに惹かれて手にしたこのCD。向田邦子の愛聴盤で、「眠る盃」の中で<(水羊羹には)ミリー・ヴァーノンの「スプリング・イズ・ヒア」が一番合うように思います。>なんて書いていらっしゃるとは知らなかった。

こういう声にしばらくの間包まれていたい、という気持ちに駆られる時がある。
張りがあって音域も広いけれど、やりきれなくてせつない、ブルーグレイの声。

<冷たいような甘いような、けだるいような、なまぬくいような歌>と書いた向田さんが、レコードに針を落としている姿を想像して、心が少しきゅっとなる。

「眠る盃」では、<ベロフの弾くドビュッシーのエスタンプ「版画」も悪くないかも知れませんね。>と続けていて、こちらもとてもそそられるのだけれど。
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by skyblue_2 | 2013-01-09 09:59 | 音楽レコメンド

エミリアナ・トリーニ

フィッシャーマンズ・ウーマン

エミリアナ・トリーニ / Hostess Entertainment



ブラッセルの11月、このUK版CDのジャケットに貼られていた紙面批評のタグを、今も持っている。

it's a late-night,bottle-of-wine kind of album
the perfect soundtrack for long winter evenings

イギリスの新聞はなんてロマンチックなんだろうと思って、その勢いで買って帰った。
そして期待通り、帰国をひかえた気持ちのさざ波をずいぶん癒してもらった。

あの時のそういう心の風景はもう遠いことだけれど、久しぶりに聞けた友だちの声みたいに、懐かしく優しい。
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by skyblue_2 | 2012-10-11 18:42 | 音楽レコメンド

イヴァン・パドゥア

ベルギーで聴くようになって以来お気に入りのIvan Paduart。去年録音の「HERRITAGE」があんまり心地よくて、三回もリピ。さすがに眠いゾ。
このジャズピアニストの音からは、タバコの煙もお酒のグラスも想像しにくい。やっぱり、ベルギーの空と森と風から生まれた音楽だと思う。

ブラッセルでライヴにも行ったっけ。
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by skyblue_2 | 2012-10-06 02:37 | 音楽レコメンド

ウィスペルウェイの無伴奏チェロ

J.S.バッハ : 無伴奏チェロ組曲 (全曲) (J.S. Bach : 6 Suites For Cello Solo / Pieter Wispelwey) (2CD+bonus DVD) [輸入盤]

ピーター・ウィスペルウェイ / EVIL PENGUIN RECORDS



バッハのこの曲を誰の演奏で聴くか。結構あなどれない問題だと思う。
ツイで、深く感動したという評をみつけて、さっそくポチして。いま、CD二枚目なかばで、すでに私の耳は満たされている。

オランダの人ということを知ったあとでは、なるほどと思わせる音だけれど、そういうあてはめがジャマをすることも多いわけで、考えてみると虚心坦懐に音楽を聴くことほど難しい芸当もないかもしれない。

今私が聞きとっているのは、チェロで紡ぐバッハの声のよう。それは、何かを伝えようとする物語というより、ひそやかな一人の祈りの言葉のようだ。
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by skyblue_2 | 2012-09-21 17:50 | 音楽レコメンド

夢のあとで

夢のあとで~フォーレ歌曲集

シュトゥッツマン(ナタリー) / BMG JAPAN



昨日はバッハアンサンブル名古屋の演奏会でバッハのカンタータを4曲聴き、数日前には某所で、手話を伴った讃美歌の美しい歌声に接する機会があったりして、人間の声の奥行きというものに今更ながら感じ入っている。
オルガンでもチェンバロでも(記憶を辿ればピアノのときにも)、レッスンでたびたび「歌うように」とおしえられてきたのは、感覚的な流れのこと、自然な呼吸のリズムのこと、そして自分にとっての音楽を生み出すなにかに気づくこと…。そんなふうに今は思える。

このCDは、コントラルトの歌声がなんともいえず中性的な魅力で、フランスの詩人たちの言葉を追いかけながらフォーレの旋律に幻惑されていくようだ。そして聴き終えたあとに、微かにビターな、消え残る想いの断片。
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by skyblue_2 | 2011-09-26 20:50 | 音楽レコメンド

東海バロックプロジェクト

先日、東海バロックプロジェクト第1回公演<輝かしい古楽の祭典>へ。公演の模様はこちらで。
東海地区に拠点を置く、初めての古楽室内楽団(プログラムより)ということがなにより意外だったけれど、メンバーの方々の発足にかける意気込みが感じられるような、充実した時間をいただいた。
オープニングトークでのバロック期の絵画の解説も、各曲ごとの司会者のお話も、そのつどステージ背後に写し出される映像のおかげで大変わかりやすく、極めつけのブラボーは、チェンバロの戸崎先生が弾かれたバッハ「チェンバロ協奏曲ニ短調」の開始前に、調律しながら説明する安達さん(クラヴサン工房アダチ)の手元が大きく写されていて、チェンバロという楽器の仕組みが一目瞭然だったこと。
大好きなこのバッハの第三楽章のリズムに、先生の演奏でとっぷりと浸りきることができた。

こういう丁寧に配慮された、目的を持ったかたちのコンサートが、もっとあってもいいように思う。


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by skyblue_2 | 2011-09-14 16:52 | 音楽レコメンド

ブラームス編曲のバッハ

ブラームスのピアノソナタが聴きたくてグラモフォンの全集の20枚目をかけていたら、聞き覚えのあるバッハの旋律が。「左手のためのシャコンヌ」という曲。バッハの無伴奏ヴァイオリン2番のあのシャコンヌを、ブラームスがピアノ用に編曲していたなんて知らずにいました。

バッハ=ブラームス編曲/左手のための《シャコンヌ》を拝見するうち、CD収録のウゴルスキというピアニストが来日演奏している動画に辿りつくことができて、ちょっとダブルの感動。
やや錆付き加減のココロの琴線を揺らされたい方はどうぞクリックを。




バッハの無伴奏といえば、チェロにもヴァイオリンにも数多く演奏がありますが、ずっとチェロのほうを贔屓に聴いていた私をハッとさせてくれたのが桐山建志氏の弾く無伴奏ヴァイオリン2番でした。バロックヴァイオリンによって響き続ける音色が、<沈黙>という言葉と矛盾なく豊かに満ちる経験をして、大袈裟に言うとバッハの聴き方が少しだけ変わる契機にもなり。
ウゴルスキ氏のピアノにも、同じ密度のバッハの静寂を紡ぐなにかを聴いています・・・。
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by skyblue_2 | 2011-02-16 14:25 | 音楽レコメンド

クリスマス!

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小さい頃、クリスマスになると我が家ではいつもこれがかかっていた。「ウィーンの聖きクリスマス」と題されたこのレコードは、ウィーン少年合唱団によるクリスマス・キャロル集。間違いなくもう40数年ズサンな管理のもとあっちこっちをさすらってきたのに、今もびっくりするような良い音を聞かせてくれる。少年たちの透明な歌声も伴奏のオルガンの響きにも、しっかり奥行きがあり、触れたくなるような質感の重さがあり…。レコードはいいなあと思う。

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なぜか盤面は深紅色。

この曲集では、キリスト降誕を待ち望む讃美歌<エサイの根より>のあと、セント・フロリアン教会の鐘が次々に鳴り渡り始め、そのあとに生誕を祝う<いざうたえ、いざいわえ>というすてきな演出がしてあって、大きな鐘の音を怖いようなワクワクするようななんともいえない感覚で聴いたものだ。あれが、なにかメッセージを知らせ告げる音に向かう、という体験の事始めだった気がする。


Merry Christmas !
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by skyblue_2 | 2010-12-24 15:20 | 音楽レコメンド

ショパン

今年はショパン生誕200年だけれど、私にはショパンの音楽を「きちんと」聴くのはなかなか難しいと、ずっと思っている。かつてピアノと格闘していた頃レッスンで先生宅に行くと、先生のお嬢さんだった遠藤郁子さんが帰省されているのに何度か遭遇した。子供の私にはピアニストのオーラがただただ眩しくて、それがそのままコンサートの記憶にもなり、郁子さんの檀上での笑顔は今でもはっきり思い出せる。
郁子さんは、1965年の第7回ショパン国際ピアノコンクールで特別銀賞、1970年には8位に入賞し、奨励賞も受賞された。郁子さんや先生からお聞きしたポーランドのこと、ショパンのこと、何よりその演奏が、いつも耳の奥の抽斗にあって、大事に取り出しながら眼前のショパンを聴く。そういうふうにしか聴けない。

先週と先々週、ダン・タイ・ソンのショパンを二つのコンサートで聴いた。協奏曲2番と、<ショパン・ダンス>と名うったワルツやマズルカなど。氏が1980年のショパンコンクールでアジア人初の優勝を果たしたことをたとえ知らなくても、あのリリカルで柔らかな音(甘い音、ではなく)には消え入る最後の瞬間まで夢中にさせられるだろうと思う。ショパンの音楽の民族性が氏のそれと呼応して、あんなにも際立つのだろうか。
マズルカOp.17第4番は、コンサートでは確かアンコールで弾かれた。ライナーによると、「自分と対話しているような感覚に陥る、特別な存在の曲」。

ショパン:マズルカ全集(全55曲)

ダン・タイ・ソン / ビクターエンタテインメント


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by skyblue_2 | 2010-12-07 19:50 | 音楽レコメンド