犯罪に震える心

 捜査当局は17日、ギャンググループ13人(17~32歳)をパリ郊外などで逮捕。リーダー格の男性(26)を指名手配した。

 調べによると、1月21日にパリ郊外の携帯電話店に金髪女性が訪れて店員のイラン・アリミさん(26)をデートに誘い出し、グループがアパートの一室に監禁。アリミさんの家族に身代金45万ユーロ(約6300万円)を要求していたという。

 アリミさんは今月13日に発見されたが、全身に傷ややけどがあり、まもなく死亡した。捜査幹部は記者会見で、頭から袋をかぶせられ裸で拷問を受けていたことを明らかにしたうえで、「かつて見た光景だ」と述べ、イラクのアブグレイブ刑務所での虐待をまねた犯行との見方を示した。

 若い女性が男性を誘惑する誘拐未遂がほかに6件起きていたことも判明。アリミさんを含め被害者にユダヤ系が多いという。捜査当局は「反ユダヤ主義が動機である証拠はない」としている。
(asahi.com2/20より)

全く痛ましくも腹立たしい事件だが、「アブグレイブ」「反ユダヤ」というキーワードに捉われると、日本人にとっては他人事になりかねない。
ユダヤ系の知人は「とてもショックで、恐怖を感じている」と言い、「ただの頭がイカレた人たちのした事よ。彼らは厳罰を受けるべき!」とも言う。事件に反ユダヤの片鱗を見まいとしているようにもみえて、私は複雑な在欧ユダヤ人の立場というものを思ったのだが、考えてみればこういう非道な事件が世界でも日本でも数多く起きているこの時代に、知人のように<罪を憎む>感覚はマヒしがちで、犯罪や死が持っているはずの特異性は影が薄い。私が小さかった頃、一大ニュースとなった「吉展ちゃん誘拐事件」というのがあって、殺人後の身代金要求というこの事件がほんとうに怖かった。大人になったからとはいえ、最近の自分にああいう恐怖心はなかなか甦ってこないのだ。

被害者を悼み犯罪を許さない。知人の涙ぐみながらの言葉は、こんな感情を鮮烈に思い出させた。
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by skyblue_2 | 2006-02-25 00:11 | デイリーライフ
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