ショパン

今年はショパン生誕200年だけれど、私にはショパンの音楽を「きちんと」聴くのはなかなか難しいと、ずっと思っている。かつてピアノと格闘していた頃レッスンで先生宅に行くと、先生のお嬢さんだった遠藤郁子さんが帰省されているのに何度か遭遇した。子供の私にはピアニストのオーラがただただ眩しくて、それがそのままコンサートの記憶にもなり、郁子さんの檀上での笑顔は今でもはっきり思い出せる。
郁子さんは、1965年の第7回ショパン国際ピアノコンクールで特別銀賞、1970年には8位に入賞し、奨励賞も受賞された。郁子さんや先生からお聞きしたポーランドのこと、ショパンのこと、何よりその演奏が、いつも耳の奥の抽斗にあって、大事に取り出しながら眼前のショパンを聴く。そういうふうにしか聴けない。

先週と先々週、ダン・タイ・ソンのショパンを二つのコンサートで聴いた。協奏曲2番と、<ショパン・ダンス>と名うったワルツやマズルカなど。氏が1980年のショパンコンクールでアジア人初の優勝を果たしたことをたとえ知らなくても、あのリリカルで柔らかな音(甘い音、ではなく)には消え入る最後の瞬間まで夢中にさせられるだろうと思う。ショパンの音楽の民族性が氏のそれと呼応して、あんなにも際立つのだろうか。
マズルカOp.17第4番は、コンサートでは確かアンコールで弾かれた。ライナーによると、「自分と対話しているような感覚に陥る、特別な存在の曲」。

ショパン:マズルカ全集(全55曲)

ダン・タイ・ソン / ビクターエンタテインメント


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by skyblue_2 | 2010-12-07 19:50 | 音楽レコメンド
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